くまもと心療病院看護部

当院のスペシャリスト

ここでは、当院で働いている認定看護師など、スペシャリストとして活躍している看護師をご紹介します。

 

認知症治療病棟師長として入院患者様58名、職員36名をまとめる役割を担い、認知症看護認定看護師と協力しながら職員育成に取り組んでもらっています。熊本地震の際は患者様の受け入れに関しても、力を注いでもらった頼もしい存在です。

「オレンジナース」

認知症治療病棟 師長  野村素子

私は、平成27年度病院勤務の医療従事者向け認知症対応力向上研修を受講しオレンジナース(認知症対応推進看護師)になりました。


当院にはオレンジドクター(認知症対応推進医師)が1名、認知症看護認定看護師が1名、28年度オレンジナースになった看護師が1名います。当院職員へ、オレンジドクターから認知症の講義を行いその後オレンジナ ースから主にせん妄のケアについての研修会を開催しています。
当院には「認知症ケア検討委員会」があり、各病棟(急性期、慢性期精神科病棟)からスタッフ1名リンクナースを中心に定期的な学習会を行っています。


精神疾患の入院患者様が高齢になり、認知症症状が出現した場合の相談をこの委員会に持ちより認定看護師よりアドバイスを受けたりしています。それでも対応困難な場合は、認知症治療病棟への転棟を行います。
認知症治療病棟スタッフだけでなく病院全体で認知症患者様、その家族への対応力の向上に努めていきます。

 


 

半年間病院を離れ感染管理認定看護師を目指した経験・頑張りは、本人の成長に繋がったと病院勤務へ復帰しての活躍を見ていて感じています。現在は病棟主任としての役割も担ってもらっています。

「精神科の特殊性をいかした感染管理認定看護師として」

精神科療養病棟看護師 千原 佳代子

 

special1 看護部感染委員会のリンクナースを7年程経験した後に、上司のすすめで福岡県の国際医療福祉大学 九州地区生涯教育センター認定看護師教育課程「感染管理」を受験しました。手術室や外科などの経験がない私には、難題で仕事をしながらの受験勉強は効率も悪く不安と焦りが募るばかりでした。挑戦のつもりで合格は無理と思いましたが、運よく合格する事ができました。病院から全面的な支援を受ける事ができ、出張扱いで約7か月間感染管理に関する知識を学ぶため業務からはなれ、学校に通うことになりました。


生活環境が変化し単身生活を送る中で、寂しさを感じる時間もゆとりもなく、慣れない座学の勉強や試験、レポートの提出、プログラムの作成など課題に終われる中で自身の弱さや劣等感を感じ涙する日々でした。その中で支えになったのは、快く送り出して下さった上司やスタッフの皆様の理解と出張を終えて戻る場所である病院の存在でした。

 自施設は手術室や透析室がなく、内視鏡や外科的処置などの感染リスクが高いとされる処置もありません。そんな環境の中で「精神科に感染管理認定看護師が必要なのか?」という疑問を持ちながら、その答えを明確にするため教育課程を修了し資格を取得する事になりました。教育課程の中で明確になったのは、長期療養型施設においても施設の特殊性に合わせた感染対策が必要であり、その対策は精神科看護師である自分にしかできないという事でした。精神科は閉鎖的な環境であり、長期療養となるため療養の場が、生活の場となり共有スペースも多いため、感染拡大や集団感染のリスクが高いといえます。

 そのため、精神科の特殊性を理解した上で職員だけではなく患者様の指導や教育も重要になり、精神科の患者様を理解し配慮しながら実践する必要があることを感じました。

 平成28年3月に教育課程を修了し、仕事に復帰した後の4月に熊本地震を経験しました。日常生活も不安な中で、5月の認定審査にむけた勉強に集中できない日々でした。しかしながら、震災で自宅が崩壊しても休まずに就業する姿や断水し不便な中で、一生懸命にケアをするスタッフの姿を目の当たりにした時、苦しくても前進する強さと勇気を頂きました。震災を経験し、避難所の巡回を通して感じた事は、当たり前と思っていた事が幸せであり、様々な人々の善意で生かされているという現実でした。他の医療機関や地域と連携し、連携の強化や情報交換を通して、地域における感染対策のネットワークの構築につなげるために研修や訪問指導を通して貢献していきたいと思います。

 現在は病棟業務と並行しながら、感染管理認定看護師として感染管理上の提案を行い、看護部感染委員会の運営を中心となり実践しています。感染対策は一人ではできません。皆様の理解と協力があってこそ効果的な感染対策が実践できることを忘れず、感謝しながら取り組んでいきたいと思います。

 

 


 

ACLSプロバイダー取得後、院内の心肺蘇生技術の向上取り組むメンバーの中心的な役割を担い、2016年4月からは外来主任として地域連携の要となる部署で頑張ってもらっています(※2017年4月から外来師長になっています)

「精神科にも求められる救急」

 本田 真由美

 

honnda精神科でも救急の場面には遭遇しますが他科ほど多くはありません。私達看護師は突然起こる救急の現場で素早く対応しなくてはなりません。予期せぬ事態に迅速に的確に対応できるようにとACLSプロバイダーの資格を取得しました。知り得た知識を最大限に生かそうと院内の救急への取り組みを始めました。精神科だからこそ救急の知識や技術向上が必要だと考え、救急訓練主任研修及び院内での救急訓練を開催。BLSプロバイダー研修参加を推奨し、プロバイダーを増員しています。

 

また、BLSプロバイダーを中心とした研修を実施し広く活躍していただいています。職員が自ら興味を持って研修に参加しスキルアップできる環境がここにはあります。信頼ある看護の提供を続けていくためにこれからも学び続けていきます。

 


 

院内外で「退院調整」についての研修の講師として活躍をされています。専門的な知識の豊富なスタッフです。物腰が柔らかく、安心する雰囲気をもち、患者様・スタッフに信頼されている。病棟主任を紹介します。

「精神科認定看護師の役割として」

急性期病棟看護師 山口智秋

 

「精神科認定看護師」といものがどのような役割で、何をするかもよく分からないまま取得し、早、5年目となりました。今、このような機会に振り返ると、取得して良かったとの思いは強くあります。役割発揮という部分ではまだまだという感じはしていますが、ネットワークの広がりと、9割忘れながらの勉強は、自分の今に繋がっていると感じています。

 

special2_1領域が「退院調整」で取得したので、現在は病棟業務と並行しながら、その役割を担っています。写真は、先日、宇城であった退院支援・退院調整研修会で、精神科領域の退院支援の現状について話をした時のものです。90%は一般科の看護師さん達の中で、精神科の話しをすると、みなさんピンとこない表情でおられます。退院調整や早期退院が勧められてきているとは言え、病床の多さや在院日数の長さを考えると、精神科の現状が理解できにくいような印象です。「ですが、これが現状です」と、正直に話しをして、だから退院調整が必要なんです。とお話する機会にしています。

 

special2_1現場で抱える一番大きな課題は、まず、患者さんにどう「退院したい」との思いを持っていただくかだと思っています。長年考えてこなかった退院を今、この年齢になって考えろと言われても・・・という感じでしょうか。ですが、みなさん、「本当はどうなの?」という問いかけには、家族が反対する。とか、住むとこがないし。とか、自分がしたくないとは言われません。そのような方たちに、「退院したいとの思いを言葉にすれば、応援してくれる人はたくさんいるよ」とのメッセージを伝えながら、関わっているところです。

 

今後、病床削減による施設化、アウトリーチの推進など、地域医療への移行はどんどん進んでくると思います。その中心となる患者さんの気持ちが置いてけぼりをくわないように、患者さんの心の準備に一緒に付き添っていければと思っています。